研究課題/領域番号 |
06650396
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
石橋 幸治 理化学研究所, 半導体工学研究室, 研究員 (30211048)
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研究分担者 |
STOPA M. 理化学研究所, 国際フロンティア研究システム, 研究員
BIRD J.P. 理化学研究所, 国際フロンティア研究システム, 研究員
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 単電子トンネル / クーロンブロッケード / 量子ドット / AB効果 / バリスティック / カオス |
研究概要 |
本研究は、単電子トンネル効果を利用したデバイス実現への基礎研究であったが、デバイスへの応用まで到達することはできず、単電子デバイスの基礎となる量子ドットの基礎物性を調べることに留まった。しかし、極低温における単-量子ドットの物性に付いていくつかの新しい発見があったのでここに報告する。 (1)強磁場下量子ドットにおける電子波干渉とクーロンブロッケード 強磁場下で形成されるエッジ状態がドット内部に形成されるが、このエッジ状態はループを形成しており、そこを介してAB効果に類した周期的磁気抵抗振動を観測した。また、ドットがトンネルバリアで隔てられるようになるとクーロンブロッケードの効果が大きくなることを実験的に示した。これらの実験結果は、ドットのポテンシャル形状および電子状態をセルフコンシステントに解くことで説明できた。 (2)弱磁場におけるコンダクタンスの非周期的振動 ここで調べた量子ドットにおいては電子はバリスティックに進むことができる。そのような状態下において、磁場の関数としてのコンダクタンスの非周期的振動を観測し、これがドット内に閉じこめられた電子波の間の干渉であることを実験的に示した。この効果は、近年の量子カオスの研究成果を実験的に実証できる系として注目されている。実験では、ゆらぎのフーリエ変換および自己相関関数を求め、その形状を理論と比較したが、量子カオスとの明確な関連は得られていない。また、このような系でのコヒーレンス時間を実験的に求める方法を提案した。
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