研究概要 |
3次元VLSI設計に関して種々の理論的観点から調査・検討を行ない,問題点を明らかにした.更に並列配線アルゴリズムの理論的基礎を与え,そのプロトタイプを検討し、理論的に解析した.とりわけ,スケジューリングに関わる重要な組合せ問題である「グラフの辺彩色問題」に焦点をあて,一般には,対象とするグラフを制約しても効率のよいアルゴリズムを設計することは困難なことが多い現状のなか,辺彩色の新しい一般的な手法を開発し,いくつかの重要なグラフのクラスに対して辺彩色問題を効率よく解くアルゴリズムを与えた. 電気回路などによく現われる直並列多重グラスの辺色彩問題を線形時間で解く逐次アルゴリズムを与えた,このアルゴリズムの計算時間は比例定数の範囲内で最適である.また,効率のよいNC並列アルゴリズムも与えた. 直並列グラフを一般化した部分k木に対して辺色彩問題を線形時間で解く最適な並列アルゴリズムを与えた.また,(n/log n)個のプロセッサを用いてO(log n)時間で辺彩色問題を解く最適な並列アルゴリズムも与えた.ここで,nな入力の大きさである.これらのアルゴリズムは従来のアルゴリズムの計算量を大幅に改善している. 種数,樹化数,縮退数,厚さなどのグラフの不変量を用いて辺色彩に必要な色数の上界を与えた.また,これらの不変量が定数で抑えられるグラフに対し辺彩色問題を効率よく解く逐次アルゴリズムおよびNC並列アルゴリズムを与えた。 辺彩色の拡張であるf-辺彩色に関して,まず,いくつかのクラスのグラフに対してはf-辺彩色が通常の辺彩色アルゴリズムを用いて求めることができることを示し,次いで,多重グラフのf-辺彩色問題が単純グラフの通常の辺彩色問題に容易に多項式時間で帰着できることを示した,
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