研究概要 |
本研究においては,マルチホップ光波ネットワークのアーキテクチャに特に焦点を当て,ネットワーク拡張性および性能改善のためのネットワーク再構成の方法に関する研究を行い,以下のような研究成果を得る事ができた. (1)ネットワークの拡張性に関する研究 (a)我々が従来提案しているRookNetではノード数をM(=N×N)とすると各ノードが2(N-1)個の受信機を必要とする.TDMA技術を用いることにより,同一のノード構成を用いて2(N-1)×2(N-1)のノードからなるネットワークまでシステムの規模を拡張する事が可能である.これにより,ネットワーク全体での総スループットは著しく向上することが明らかになった.これは,昨年度から着手していた研究であり,今年度その成果をまとめることができた.(電子情報通信学会論文誌B-I,No.5,Vol.J77-B-I,pp-313-321) (b)上記研究において取り扱ったTDMA RookNetにおいて,ノード数がN×Nから2(N-1)×2(N-1)に増加する間における,ネットワーク構成に着目し,従来のRookNetに従うノードとTDMA RookNetに従うノードが混在する場合における問題点を明らかにし,その問題点を解決する為の経路制御方式を提案し,シミュレーションによってその有効性を確認した.(電子情報通信学会信学技報SSE94-39で発表) (2)ネットワークの性能改善のためのネットワーク再構成に関する研究 双方向マンハッタン・ストリート・ネットワークに着目し,各ノード間におけるトラヒックに偏りがある場合における最大スループットおよび伝送遅延時間特性を調べ,トラヒックが多く運ばれるノード間をできる限り近くの位置に配置するためのアルゴリズムを開発し,その効果を明らかにした.(電子情報通信学会信学技報IN94-131で発表)
|