研究概要 |
誘電体フィルム表面に,ダイポールアンテナと,コプレーナ線路給電線を印刷し,アンテナ素子給電点と給電線先端の間隙に増幅素子を装荷した構造の,テレビ放送受信用アクティブアンテナの開発を行ってきた.平成5年度までに,全長24cmのダイポールアンテナと,増幅素子としてシリコントランジスタ 2SC2585を用いて,UHF13〜62チャンネル(470〜770MHz)で動作利得10dB以上の性能を実現し、その成果を,平成6年度にBlectronics Lettersで発表した. 平成6年度は,VHF,UHF帯の全チャンネルで受信可能なように,アンテナ素子,増幅素子,コプレーナ線路の間のインピーダンス整合を図り,広周波数帯域で電力利得を向上させることを目標として開発を行ってきた.増幅素子にはGaAs FET FHC30LG,アンテナ素子にはループアンテナを採用した.ループアンテナの形状を長方形の向かい合う2辺を半円弧に変形して,特に,VHFチャンネル周波数でのインピーダンス特性を改善した.アンテナの大きさを88mm×168mmとするとき,テレビ放送4〜62チャンネル(周波数170〜222MHz,470〜770MHz)で,最大受信方向での動作利得11dB以上と市販のテレビ放送受信用8素子八木アンテナ以上の性能を実現することができた.その成果の一部は,平成7年1月に開催されたテレビジョン学会無線・光伝送研究会で発表した.現在,アンテナの形状を変えて,1〜3チャンネルでの利得向上を図っている.その結果については,平成7年3月開催予定の電子情報通信学会総合大会及び平成7年4月にオランダで開催予定のNinth International Conference on Antennas and Propagationで発表する予定である.
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