研究概要 |
標記課題に関して得られた研究結果の概要は次の通りである。 1)原コンクリートの強度レベルが250および570kgf/cm^2のコンクリート塊を現有のジョークラッシャにより一次破砕して15〜40および10〜40mmの2種類に粒度調整した再生粗骨材を製造して物理試験を行った。その結果,普通および高強度のコンクリート塊から得られた再生粗骨材AおよびBは,それぞれ3および2種に分類される低品質のものであった。 2)プレパックドコンクリート用混和剤を使用し,W/C+F=50%,F/C+F=20%,流下時間16〜20秒となる注入モルタルのS/C+Fは0.8となること,破砕時に発生する0.15mm以下の微粉を単位細骨材量の5%まで置換えても,注入モルタルの流下時間,ブリーディング率,膨張率および圧縮強度は,微粉無添加の場合と同等となることが明らかとなった。 3)透明プラスチック板付角柱型枠に粗骨材を詰め,上記注入モルタルの充填状況をビデオに録画して観察した結果,注入速度一定の場合の充填速度は,再生粗骨材種別が異なってもほぼ等しいこと,川砂利を用いた場合より劣ることが明らかとなった。 4)新規購入のコア採取機によりコアを採取してプレパックドおよびポストパックドコンクリートの圧縮強度試験を行った結果,再生粗骨材使用と川砂利使用の場合でほぼ同等となること,注入モルタルに微粉を添加することによって強度が損なわれないこと,粗骨材の粒度の違いは強度に影響を及ぼさないこと,また,原コンクリートの強度レベルが大きいほど強度は増加し,動弾性係数も増加することが明らかとなった。 5)以上の結果より,破砕エネルギーを小さくして得られる低品質再生粗骨材および微粉は,プレパックドおよびポストパックドコンクリートに使用できる可能性があることが明らかとなった。
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