研究概要 |
平成6年度,平成7年度の2年間において,衝撃荷重を受けるコンクリート表面を防護する種々のメタルライナー取付構造物の耐荷力特性や変形能,破壊性状及びエネルギー吸収能などに関する基礎的な研究を行い,優れたメタルライナーの形状及び定着形式を明らかにして,以下のような成果を得た. まず,種々の形状と定着定式を持つメタルライナーの実験データを整理し,衝撃荷重特性とエネルギー吸収特性を明らかにした.その結果,十字リブを持ったメタルライナーを鉄筋でアンカーする形式が最も有利であることが分かった. その後,有限要素法を使い,メタルライナー,アンカーボルトを含む定着構造とコンクリート躯体をモデル化して,弾塑性解析を行い,静的な実験結果と比較した.概ね,静的な挙動をシミュレートできるモデルが開発された. 次に,研究室に導入されている衝撃解析用有限要素法プログラムDyna3D (LS-Dyna)を用いて,衝撃実験の供試体と条件をモデル化して解析し,実験結果と比較検討し,衝撃荷重や衝撃挙動を解明するための妥当な解析モデルを開発できた.衝撃体としては,鉄,コンクリート及び岩石をモデル化した.そして,開発した解析モデルを使い,種々の条件の定着部のパタメトリック解析を行い,設計法確立のための基礎データを作成した.さらに,解析結果より得られた結果と実験から得られた衝撃荷重の場合のエネルギー吸収能の関係を使って,エネルギー吸収能を判定条件にする新しい定着構造の設計法を確立した.さらに,メタルライナーの硬度変化に着目した,衝撃荷重履歴を推定する手法も作成した.
|