研究課題/領域番号 |
06650520
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高田 至郎 神戸大学, 工学部, 教授 (40027280)
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研究分担者 |
森川 英典 神戸大学, 工学部, 助手 (70220043)
宮本 文穂 神戸大学, 工学部, 助教授 (10093535)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 液状化 / 非排水地表層 / 過剰間隙水圧 / 地中構造物 / 橋脚基礎 / マンホール浮上 / 振動台加振実験 / 側方流動 |
研究概要 |
本研究では以下の4項目について研究の実施と成果を得た。 (1)液状化時排水量の計測と消散解析に関する研究 静的に過剰間隙水圧を発生させる実験装置を開発して、有効上載圧を変化させながら液状化時過剰間隙水圧比と消散に伴う流出水量について計測した。正確な流出量を計測するために、装置の改良に苦心している。その結果、過剰間隙水圧比の上昇とともに流出量が増加すること、上載有効圧が高いほど流出水量が多くなること、などが知られた。さらに、実験結果を解析的に検討するためにFEM有効応力解析を実施した。実験土槽の変形を除去するようにすれば、実験値と解析値はきわめて良い対応をすることが知られた。 (2)液状化を受けるコンクリート橋脚基礎の耐震安定性を検討する目的でFEM解析を実施した。限界状態としての橋脚転倒率を定義し、液状化に伴う転倒率の時間的変化を算出した。直接基礎の場合には、橋脚周辺の地盤が液状化する範囲によって転倒率が大きく変化することが知られ、液状化に伴う沈下も生じることが分かった。また、杭基礎の場合には地盤条件の違いを考慮しても直接基礎の場合よりも液状化しにくく、また、転倒率も小さくなる。これは、橋脚自重による抑え効果が直接基礎の場合より大きいためである。杭基礎では地盤支持力を失うこともなく、橋脚の沈下の心配はないが、群杭の周辺摩擦力の低下によって、水平方向力による不安定現象が引き起こされる可能性のあることが知られた。 (3)北海道東方沖地震の際における液状化による地中構造物の被害調査を実施した。釧路市・根室市では液状化浮力にともなう下水道マンホールの浮上が顕著であった。周辺地盤やマンホール埋め戻し土の液状化が関与しているものと考えられる。また、液状化側方流動にともなって水道管路などで被害の生じていることが知られた。(4)液状化時側方流動に伴う地中管路に与える影響を検討するために、第一段階として地盤のみを対象とした振動台加振実験を行った。地盤は3層構造として中間層が液状化し、その上方非液状化地盤が側方に移動する特性を計測した。実験の結果、加振によって、まず液状化地盤が沈下し、ついで液状化地盤の側方流動につれて上層の非液状化地盤が移動する。さらに、加振を続けた場合には最上層の非液状化地盤が液状化砂地盤上を滑動することが知られた。
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