研究実施計画に従い、鉛直壁に波が斜めに入射する場合のモデルを作成し、実験によりその妥当性を検証した。斜め波モデル作成のポイントは、鉛直壁に直な方向の限ってのエネルギーフラックスの釣り合いを考慮するということと越波量を鉛直壁にそって走る波による横越流と考えた点である。モデルの計算結果の特徴は、越波量、反射率共に直角入射から30度までの間は直角入射と変わらなこと、それを越えると両者ともに急速に小さくなることである。実験は、多方向造波装置に端部制御法を用い、鉛直壁端部に消波材を設置して鉛直壁にそって一様な波の場を作り出すことに注意して行った。その結果、角度が約30度まではモデルと実験の一致は非常に良くモデルおよび実験の妥当性が検証された。しかしその角度を越えるとマッハステムという現象が発生し、反射率は極端に低下してモデルとあわなくなることがわかった。
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