研究概要 |
水道システムの信頼性を評価し,それを向上させるために,個々の要素の信頼性,システムとしての冗長性を,AHPにより総合的に判断する方法を提案した.これによって各配水区域に対して,信頼性を向上させるためにはどの要素を強化すればよいかを,相対的に提示することができる. 水供給の将来計画の精度を向上させるための,水需要予測法を検討した.各種の水使用機器にどのように技術開発が行われ,使用水量が変化してきたか,そしてそれらがいかに普及してきたかを検討した.また家庭内でそれらの機器による水使用がいかに行われているかについても調べた.これらの情報を組み込んで,水使用構造を明らかにし,将来予測と,節水の可能性を考察した. 下水排除系については,低平地を対象として,下水の排除による内水災害の防止と,放流先の水質汚濁を低減化するための,ポンプ運転法についての検討を行った. 水源系においては,安定した水供給を可能にするためのダム操作法を,遺伝的アルゴリズムを適用して検討した. 渇水時に対応するためには,給水制限下でいかに公平な給水を行うかが,重要になってくる.そこで減圧給水時に水の出の地域差をできるだけ小さくし,かつ効率的な水配分を行う給水方策を検討した. 地震災害時の水循環システムの信頼性を検討するため,阪神・淡路大震災で,水道,下水道などの水循環システムにどのような被害が発生し,それがいかなる問題を引き起こしたかを,調査検討した.またその復旧過程における問題についても検討した.
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