研究課題/領域番号 |
06650613
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
軽部 昭夫 秋田工業高等専門学校, 一般科目理科系, 教授 (30042279)
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研究分担者 |
僧理 栄司 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助手 (10226706)
羽田 守夫 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (60005478)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 森林河川 / 化学成分 / 負荷量 / 流出特性 / ぶな林 / 高栄養化 / 水質調査 / 白神山系渓流 / 真瀬川水質 / 粕毛川水質 / 森林渓流水の水質 |
研究概要 |
白神山系の二つの河川、真瀬川と粕毛川の三調査地点に関し、冬期を除いた月一回の調査を基本として2年間にわたる水質調査を行った。その結果、白神山系の渓流水の水質には、この地域の急峻で崩れ易い地形も寄与して地質的影響が大きく、SO4、CaおよびMgイオンなどに渓流ごとに大きな濃度の違いが見られることが分かった。これらのイオン類から見ると、この地域の渓流水は全体として鉱山水や温泉水に近い水に分類できる。また、NaやC1イオンなどには風送塩による影響も見られた。一方、流域表面の腐葉層などから流出してくると思われる有機物(TOC)や窒素(硝酸性および総窒素)に関しては、流域ごとの濃度の違いは明瞭には認められなかった。これらの濃度は、流量の増加とともに増大する汚濁型に分類され、供給源が面的に広く分布して水質物質を供給していると判断された。現時点では、三渓流水の平均水質濃度からみて富栄養化のレベルまでは達していないと判断されるが、前述のように汚濁型に属することもあり、降雨時などの水質挙動も考慮して今後とも注意深く観察していく必要があると思われる。 比流出負荷量に関しては、多くの項目で高い相関係数を持つ回帰式を求めることができた。流出パターンを比較すると、粕毛川よりも真瀬川の方がやや大きな流出特性を持っていることが認められた。また、北海道の渓流水と比べると、比流出負荷量がほぼ類似している河川と、特にTOCや硝酸性窒素に関してかなり異なる河川とに分かれた。流出パターンについても、白神山系の方が北海道の河川と比べてやや大きな流出特性を持っている傾向も見られた。これらには、地質や地形なども影響していると思われるが、森林生体系の違いも関わっていると考えられ、今後更に調査データを増やして森林の持つ機能を明確していく必要があると考えられる。
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