研究概要 |
90mm×37mmの開口部を鉛直方向に30個,水平方向に10個の計300個配置した成層格子による一様分布風速場と直線勾配を持つ風速場の風速3成分の乱流特性を検討し,以下の点を明かにした.使用した風洞装置は,九州大学工学部建築学科エッフェル型吸込式風洞装置である。なお,測定部断面寸法は1.5m×1.5m,測定位置は格子下流1,500mm,である。 1成層格子の開口部を全開にした状態での平均風速分布 (1)縦成分(平均流方向成分)は一様分布である。実験には風速15m/sを用いた。 (2)鉛直および水平横成分の平均値はほぼゼロの一定分布である。 2成層格子の開口部を全て全開にした状態での乱流特性. (1)縦成分,鉛直および水平横成分の乱れの強さの比は1.0:0.09:0.78となった。 (2)縦成分,鉛直および水平横成分の乱れのスケール比は2:1:1となった。 (3)パワースペクトル形状は、測定断面内壁面付近の15cm以内を除いて,3成分ともほぼ,等方性乱流理論でのカルマンスペクトルに一致する。 3開口部を調整して,直線勾配の風速分布とした状態での平均風速分布 (1)縦成分(平均流方向成分)は測定断面内の中央部1/3の領域内で直線分布の風速勾配を示す。 (2)鉛直および水平横成分の平均値はほぼゼロの一定分布である。 4直線勾配の風速分布とした状態での乱流特性 (1)縦横3成分とも乱れの強さは,直線勾配をしめす。 (2)乱れのスケールは3成分とも一様分布時より大きい。 (3)平均風速の直線勾配範囲の約半分の領域では,3成分とも乱れのスケールは風速値に比例して大きくなるが,縦成分がもっとも顕著である。 (4)乱流スペクトルは,3成分とも縦成分に似た形状を示した。
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