研究概要 |
1)データベースの作成 1982年,87年,90年,91年,92年の東京都23区の公示価格,基準地価から地価データベースを作成した.また各地価データポイントの用途(指定・実績),容積率(指定・実績),建ペい率(指定・実績),前面道路幅員,都心・最寄り駅からの距離などの属性変数を地図,都市計画規制図などから採集し,属性データベースを作成した. 2)地価分析モデルの作成と地価シミュレーション 地価を賃貸料とキャピタルゲイン期待で説明する収益還元法モデルと,各種属性で説明するへドニツクアプローチモデルを作成した.後者では,用途別や全用途共通など種々の母集団でのパラメータ推計を行い,信頼性を高めた.また,二つのモデルを比較検討し,予測の信頼度の観点から適切なモデルを選定し,地価シミュレ--ションを行い,土地利用計画の詳細化が地価に及ばす影響を定量的に評価した. 3)結果の考察 モデル式のパラメータ推計やシミュレーション結果から,1992年の都市計画法・建築基準法改正に伴う土地利用計画の詳細化が,ミクロには地価を下げる効果を持つこと,また,それを減殺するのに,補償的な方法ではなく,詳細計画の枠内で可能な土地利用の中で有効利用を促す政策が重要であることを導いた.
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