作業で得られたこと、および判明したことはつぎのとおりである。 1.旧版地図の比較抽出による消滅集落地図の作成と分析 (1)北海道も加え、戦後における全国の消滅集落地図を作成した。消滅集落数は2912(内北海道195)となる。 (2)期間1(S20→40年代)では1411集落、期間2(S40→60年代)では1501集落が消滅している。「ダムによる水没等」による消滅集落数は579(20%)、「その他」の理由では2333(80%)となる。 2.消滅集落に関する自治体アンケート調査 (1)1の作業により得られた消滅集落データベースに基づき、消滅集落が存在するとみられる市町村を対象として郵送による消滅理由・消滅時期・集落の属性等に関するアンケート調査を実施した(ただし地形図から消滅理由がダム開発による家屋水没のためと読みとれるものを除く。現在までに中部地方・近畿地方・中国地方を中心とした16県の集計をおこなった。)。 (2)その結果によると、消滅集落はかつての規模が10戸未満の集落が大半で、おもな産業としては、炭焼きや林業に関わるものの比率が高い。「もっとも大きな消滅理由」は就職地遠隔型(25%)、積雪型(21%)、家族維持困難型(8%)、自然災害型(8%)などの順となる。(ダム家屋水没集落を除く) (3)今後、自治体アンケートを全国に拡大し、地域特性などを明らかにしてゆく所存である。
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