研究課題/領域番号 |
06650717
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
|
研究分担者 |
小田 克郎 筑波大学, 物質工学系, 講師 (80177229)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | Ni-Al-Mn / マルテンサイト変態 / 長周期積層構造 / 形状記憶合金 / 高温形状記憶合金 / 二段階マルテンサイト変態 / 7Rマルテンサイト / 15Rマルテンサイト |
研究概要 |
Ni50AlxMn50-x(16.0≦x≦20.5)なる組成を持つ各種組成の合金に対し、電子顕微鏡、X線回折及びDSCによる実験を行い、以下の結果を得た。室温での電子顕微鏡観察によると、組成の関数としてのマルテンサイトの結晶構造は、x≦17.0では7R(52)マルテンサイト、x≦19.0では15R(32)3マルテンサイト、17.0≦x≦19.0では7R、15R、36R(5232)3の3種類のマルテンサイトが観察された。ここで15R及び36Rの構造は、他の合金系でも見い出されたことのない全く新しいマルテンサイトの構造である。17.0≦x≦19.0の組成領域では、詳しい観察の結果、7Rと15Rの混合状態と考えるのが妥当との結論に達した。モ-フォロジーはいずれもプレート状で、内部欠陥は底面上の積層欠陥であった。格子定数はいずれもX線デフラクトメータにより精密に測定した。結晶構造は各種方位の電子回折により行い、高分解能電子顕微鏡観察並びにコンピュータ・シミュレーションにより構造の確認をおこなうことができた。DSC測定によると、x≦17.0以下の組成では、二つのピークが現われ、これが2段のマルテンサイト変態によるものか、異なった場所での二つのマルテンサイト変態によるものかが問題である。今回電子顕微鏡の加熱ホルダーを用いた実験によって、x=16.0の試料はB2→15R→7Rの2段変態することが明らかになった(実際には、7R→15R→B2の逆変態を見ている。)。引張試験によっても2段変態を確認するため、単結晶を用いた実験を行ったが、変態前に破断してしまい、まだ引張試験には成功していない。以上の成果の一部は、研究発表欄に示したように既に雑誌に発表されたが、残りの部分も近く二つの論文として投稿の予定である。
|