研究課題/領域番号 |
06650718
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水林 博 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40114136)
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研究分担者 |
谷本 久典 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70222122)
奥田 重雄 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50111365)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 非晶質合金 / 通電効果 / 原子の集団運動 / 構造緩和 / 結晶化 / 非弾性特性 |
研究概要 |
非晶質合金の弾性率は10^<-6>Mから10^<-3>Mの応力域で(M=弾性率)では応力の増大につれて上昇した後飽和することを既に見いだしている(非線形弾性歪の増大と飽和:以下、非線形弾性特性)。また、中・高温域では、10^3A/cm^2程度の通電下で非晶質合金の構造緩和及び結晶化過程が促進されること、即ち、電気泳動効果が何らかの機構により顕著化していることを明らかにしている。これらの結果は、通電下で弾性率が上昇する可能性を予期させ、本研究では実験により、非晶質Cu-Ti,Cu-Zr,Pd-Si合金について通電下で弾性率が上昇することを確認した。また、通電下での弾性率上昇と非線形弾性特性の比較から、異常通電効果における電気泳動効果の見かけの有効電荷数Z^*を評価し、Z^*=10^4〜10^5eを得た。非晶質Cu-Zrについてさらに、通電下での弾性率上昇並びに非線形弾性特性に及ぼす焼鈍効果を調べ、有効電荷数Z^*が構造緩和温度域での焼鈍により30%増大することを見いだした。また、測定実験から試料長さが構造緩和温度域の焼鈍で0.015%減少することを知った。そこで、通電下における原子の集団運動の相関長をξとし、急冷直後の試料では原子空孔的自由体積により、集団運動の相関が部分的に切断されていたのが、構造緩和温度での焼鈍により原子空孔的自由体積が消滅して相関長ξが増大すると仮定して解析し、急冷直後の試料ではξ〜300、構造緩和温度での焼鈍後ではξ〜600が得られた。以上の結果は、非晶質合金では通電下で原子の集団運動が顕在化することを立証しており、かつその相関長ξについて予備的結果を与えている。通電効果と平行して、水素をプローブとして局所的構造の空間的連結性について調べた。これらの結果を次頁の論文として公表した。
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