研究課題/領域番号 |
06650727
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
掛下 知行 大阪大学, 工学部, 助教授 (90127209)
|
研究分担者 |
佐分利 敏雄 大阪大学, 工学部, 教授 (40029020)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | マルテンサイト変態 / 等温速度論 / 非等温速度論 / Fe-Ni-Mn合金 / TTT図 / ノ-ズ温度 / 臨界磁場 / 原子クラスター |
研究概要 |
Fe-31.4Ni-0.5Mn(mass%)における非等温マルテンサイト変態(Ms点は195K)とFe-24.9Ni-3.9Mn(mass%)における等温マルテンサイト変態(ノ-ズ温度153K)との速度論の違いを明らかにするために、31MA/mまでのパルス強磁場下での磁化測定ならびに光学顕微鏡による組織観察を行った。その結果、いずれの合金においても臨界磁場以上の磁場を印加することによりマルテンサイト変態が瞬時に誘起されることが分かった。このことは、強磁場下で変態速度論が等温から非等温に移行することを示している。光学顕微鏡観察の結果、個々の等温マルテンサイト晶の成長が見られた。また、いずれの合金においても磁場誘起マルテンサイトの組織は熱誘起のそれとほぼ同じであった。両合金の臨界磁場と温度の関係を以前に提唱した式を用いて計算した結果、それは実験値とほぼ一致した。これらの結果をもとに、両変態の速度論を統一的に解釈できる3つの仮定から成る新しい理論を構築した。仮定の一つとして、マルテンサイト変態はいくつかの粒子が母相のある場所で同時に励起し、クラスターを形成した時に開始するというマルテンサイト変態開始についての新しい条件を導入した。この理論は、非等温マルテンサイト変態のTTT図がC曲線を示さないことならびに等温マルテンサイトのそれがC曲線を示すことを説明し得る。また、このモデルに含まれるパラメーターを、以前に測定したTTT図に最も良く合致するように決めた結果、パラメーターの一つであるマルテンサイト変態開始に必要なクラスターの大きさは高々2.0nm立方であることが分かった。また、この理論を用いて、等温マルテンサイト変態の一軸応力、磁場および静水圧下でのTTT図について予測を行った。
|