研究課題/領域番号 |
06650739
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田邊 靖博 (田辺 靖博) 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (70163607)
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研究分担者 |
田村 英樹 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (30188437)
澤岡 昭 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (40029468)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 炭素薄膜 / 特性 / sp^2 / sp^3結合 / 電子線照射 / プラズマ / 制御 / sP^3結合 / 電子ビーム照射 / 高密度プラズマ |
研究概要 |
各種の方法でダイヤモンド薄膜、あるいはダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)薄膜の合成がなされているが、これらの膜の特性やsp^2とsp^3結合の割合の制御、さらには、特性と合成条件との関連については、不明な点が多い。本研究では、合成条件が膜の結合状態(sp^2とsp^3結合の割合)に与える影響、ならびに膜の物理・化学特性に与える影響を検討した。つまり、高密度プラズマからの炭素系薄膜の合成とその特性制御に関するものである。本研究では、高密度プラズマの発生装置として宇宙航行用スラスターとして開発されたMPDアークジェット(Magneto Plasma Dynamic Arc-Jet)を利用した。この装置は、純粋な炭化水素ガスをプラズマ化できる性質をもっていることと、銅薄膜の生成装置ならびに電子線照射装置の付加が容易なためである。 実験結果を総括すると、sp^2とsp^3の割合は、基板温度、基板のバイアス電圧を変化させることで制御可能なことが分かった。また、in-situ修飾と呼んでいるが、合成中にCF_4ガスを作用させることでも制御できることが分かった。sp^2とsp^3の割合を変化させることで、密度、硬さ、電気伝導率などの制御が可能なことが示された。 炭素の衝撃、あるいは放電によるプラズマ化の研究を進める中で、炭素と銅を共存させる環境下において比較的容易にsp^3結合が生成することが分かってきた。一般に、銅は吸熱材として働いていると考えられているが、エピタキシャル成長とも考えられる事実が見いだされたので、MPDアークジェットによる薄膜合成に、これらの手法を応用することを試みた。つまり、炭素系薄膜と銅薄膜とのサンドイッチ構造膜をMPDアークジェットで合成し、その構造膜へ電子線による衝撃を与える実験を行った。その結果、非常に部分的ではあるが、ラマン分光でsp^3のみのピークしか確認されない領域が生成することが分かった。今後は、この領域を拡大するための手法の開発と銅薄膜の果たす役割について検討する必要がある。
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