研究課題/領域番号 |
06650744
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
那須 弘行 三重大学, 工学部, 助教授 (20189179)
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研究分担者 |
松岡 純 三重大学, 工学部, 助手 (20238984)
神谷 寛一 三重大学, 工学部, 教授 (00024597)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 非線形光学効果 / 非晶質固体 / ガラス / 高屈折率 / 第三高調波発生 / 超分極率 / 配位状態 / フォトニクス |
研究概要 |
三次の非線形光学効果は入射光強度によって屈折率が変化するため、全光系情報処理システムの光スイッチや光メモリーへの応用が期待されている。我々は、従来溶融急冷法で作られる一般的な多くのガラス組成で、この大きさを測定し、高屈折率ガラスで大きい三次の非線形光感受率(χ^<(3)>)が得られることを明らかにしてきた。そこで本研究では、TiO_2,PbO,Nb_2O_5等、屈折率を大きくする成分を多量に含むか、又はそれらのみから成る非晶質固体を溶融法ばかりでなく、液相合成法であるゾル-ゲル法等を用いて作製し、そのχ^<(3)>値を調べた。その結果TiO_2を主成分とし、Bi_2O_3やNb_2O_5,PbO等を添加した二成分透明非晶質が10^<-12>(esu)オーダーで酸化物非晶質中で極めて大きなχ^<(3)>を示すことが分かった。我々は、更に各成分のχ^<(3)>に対する寄与そ求め、それに基づいてより高いχ^<(3)>を持つガラスを設計するためにそれぞれのχ^<(3)>への寄与に当たる超分極率(α^<(3)>)を求めることを試みた。高いχ^<(3)>を示すガラスは、成分と構造ユニットが複雑なため、より単純な構造を持つ組成のガラスを用いた。一つは、アルカリゲルマン酸塩系ガラスで、このガラスは"ゲルマン酸塩異常"と呼ばれるアルカリ含有量に依存するGe^<4+>の配位数の変化が起こることが知られている。そこで、アルカリ含有量を変化させたガラスでχ^<(3)>を測定し、Ge^<4+>の4配位と6配位状態でのα^<(3)>を調べた。その結果、高配位状態のGe^<4+>のα^<(3)>の大きいことが分かった。一方、架橋酸素、非架橋酸素、アルカリイオンのα^<(3)>は、アルカリ珪酸塩ガラスとアルカリアルミノ珪酸塩ガラスのχ^<(3)>より求めた。結果から、架橋より非架橋が、又、酸素よりアルカリのα^<(3)>が大きいことが分かった。更に、アルカリイオンはそのイオン半径が大きいほどα^<(3)>は大きい値を示した。これらの基礎研究を基にアルカリイオンと非架橋イオンを含み、配位数の高いBi_2O_3を主成分とするガラスを作製し、そのガラス化範囲を決定した後、種々の添加物を加えたガラスでχ^<(3)>を調べた。その結果1x10^<-11>(esu)に近い極めて大きなχ^<(3)>を示すガラスを得ることに成功した。
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