鋳鉄ボンドダイヤモンド砥石へのファイバーと高圧処理効果

• 研究課題/領域番号: 06650766
• 研究種目: 一般研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 複合材料・物性
• 研究機関: 鈴鹿工業高等専門学校
• 研究代表者: 国枝 義彦 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (80043313)
• 研究期間 (年度): 1994 – 1995
• 研究課題ステータス: 完了 (1995年度)
• 配分額: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円); 1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円); 1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
• キーワード: HIP処理 / カプセルフリーHIP / 鋳鉄ファイバー / ダイヤモンド砥石 / 窒化ケイ素 / 研削比 / 鋳鉄 / ファイバー

研究概要

ダイヤモンド砥石はセラミックスに代表される高硬度、難切削材料の研削および研磨に用いられる工具として最も有効である。ダイヤモンド砥石においるボンド材の適否は研削能率、研削比の優劣や工作物の精度に影響を及ぼし砥石製作上の重要な要素である。本研究では、鋳鉄ファイバーをボンド材としたダイヤモンド砥石へのファイバーと高圧処理効果について検討した。高圧処理としてカプセルを用いないカプセルフリーHIP処理による焼結挙動および窒化ケイ素に対する研磨特性について研究した。その結果、次のことが明らかになった。ダイヤモンド砥石およびボンド材単一試料の成形体の相対密度は銅添加量が増大するほど高くなった。1173Kでの真空中予備焼結ではいずれの試料においても相対密度の上昇が見られなかった。1173Kでの真空焼結により相対密度は高くなったがCFHIP焼結では変化はなかった。しかし、1323KでのCFHIP焼結では膨張した。CFHIP焼結による銅添加した鋳鉄ファイバーボンドダイヤモンド砥石の硬度は真空焼結体に比べ硬くなった。本研究で作成した鋳鉄ファイバーボンドダイヤモンド砥石の窒化ケイ素に対する摩耗速度、研磨速度および研削比は次のように砥石の硬度で総括的にまとめることができた。すなわち、摩耗速度はファイバーの素材である鋳鉄の硬度に相当するHRB87付近まで徐々に減少し、その後硬度が高くなると摩耗速度は大きくなった。研磨速度は硬度が高くなるに従い大きくなり母材の硬度付近でピークとなり、その後減少した。研削比は硬度が高くなるに従い増大し母材の硬度付近でピークとなり、その後減した。