研究概要 |
Y-TZP(イットリア部分安定化正方晶ジルコニア多結晶体)およびY-TZP(Al_2O_3複合材から試験片を切り出し、大気中において、温度範囲1623〜1823K,初期ひずみ速度10^<-4>〜10^<-2>s^<-1>の範囲で引張りおよび圧縮試験を行った。そして、流動応力-ひずみ速度関係,ひずみ速度感受性指数(m値),変形の活性化エネルギーの評価を行った。また、引張り及び圧縮変形を種々のひずみ点で中断して、試験片の変形前後のかさ密度変化をアルキメデス法で、また組織変化を熱腐食させた試験片表面のSEM観察を行って調べた。そして粒界空隙の発生量,ひずみ誘起結晶成長と粒アスペクト比の変化を、変形温度,ひずみ速度,初期組織を変数として調べた。 その結果、応力-ひずみ速度関係には第III領域がみられないこと、m値は〜0.3で圧縮と引張りで差はないこと、一方、圧縮の流動応力は引張りのそれより大きいこと、活性化エネルギーは引張りの場合の方が大きいことなどが分かった。さらに、粒界空隙の体積率のひずみ依存性は、変形温度が低いほど,ひずみ速度が大きいほど,初期粒径が大きいほど大きくなることが分かった。一方、ひずみ誘起粒成長のひずみ依存性は、粒界空隙の場合とは逆の変形温度,ひずみ速度,初期粒径依存性を示した。また、種々のひずみ点まで超塑性変形させた試験片の曲げ強さ,硬さ,破壊靱性を調べたところ、これらは空隙量に大きく依存することが分かった。
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