研究課題/領域番号 |
06650882
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
吉川 正和 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60158417)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 光学分割 / 分子インプリント / ペプチド / 高分子膜 / 分子認識 / アミノ酸 / 膜分離 / 電気透析 |
研究概要 |
高分子分離膜による光学異性体分離を目的に、不斉認識部位の発現がその高次構造から期待される、側鎖にH-Asp(OcHex)-Ile-Asp(OcHex)-Glu(OBz)-CH_2-なる定序配列を有するテトラペプチド誘導体を有する分離膜素材を合成し、それより調整される分離膜による光学異性体の選択透過性ならびに選択透過性発現機構に関して検討を加えた。以下にその得られた結果を列挙する。 1)側鎖にテトラペプチド誘導体を有する樹脂は、クロロメチル化ポリスチレンよりMerrifield法により合成した。なお、テトラペプチド誘導体の担持率は0.28mmol/g_-樹脂であった。 2)この得られた樹脂単独で膜を形成することが不可能であるため、膜構成成分としてアクリロニトリル-スチレン共重合体を選び、製膜時に鋳型分子としてBoc-L-Trpを加える分子インプリント法を適用することにより鋳型膜の調整を行った。 3)濃度勾配を膜輸送の駆動力とする膜透過においてD-アミノ酸がL-アミノ酸よりも選択的に透過されることを明らかにした。また、吸着平衡実験より、得られた鋳型膜はL-体に対し高い親和性を示すことをも明らかにした。 4)電位差を膜輸送の駆動力とする膜透過実験では、濃度勾配を膜輸送の駆動力とする膜透過とは異なり、膜により選択的に吸着されるL-体が選択的に膜透過した。すなわち、電位差を膜輸送の駆動力として利用することにより、吸着選択性を反映する光学異性体分離が行えることを明らかにした。 以上、テトラペプチド誘導体を分子認識部位として有する分子インプリント膜がアミノ酸光学分割膜として機能することを明らかにした。
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