研究課題/領域番号 |
06650930
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北森 武彦 東京大学, 工学部, 助教授 (60214821)
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研究分担者 |
原田 明 東京大学, 工学部, 助手 (90222231)
澤田 嗣郎 東京大学, 工学部, 教授 (90011105)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | レーザー蛍光法 / 薄膜 / 深さ方向分析 / 光学遅延路 / 角度分解 |
研究概要 |
超薄膜や細胞内部の濃度分布変化を追跡することなど、ナノケミストリー・ナノテクノロジーに対応すべく真空を使わないより高度な三次元濃度分布計測が求められてきているが、現状では技術的に困難である。一方、我々が独自に研究してきた相反原理に基づく新たなレーザー蛍光分光法は超薄膜内のゆっくりしたイオン挙動をとらえることができた。そこで、本研究では、さらに新しいアイディアのマルチチャンネル角度依存蛍光検出装置を作成し、超薄膜内の物質移動を実時間で追跡できる方法を開発し、界面などで起こる物質移動の検出などに応用した。以下に成果の概要をまとめる。 (1)マルチチャンネル角度依存蛍光検出装置を作成した。まず、各検出角度に対して一本の光ファイバを対応させ、その長さを検出位置ごとにかえて光学遅延路とした。全ての光ファイバの出射側を束ねて一つの高速応答検出器に接続した。励起光をパルスレーザー光にすると、検出器に到達する蛍光パルスは角度により遅延時間が異なるので、検出器に次々と到達する蛍光パルスを時間分解測定すると、パルス列は各角度に対応する。 (2)ロ-ダミンを織り込んだLB膜を試料とし、(1)で作成した装置が正しく作動することを確認した。別途開発したファジィーデータ処理法で、得られた角度依存データから深さ方向濃度分布を求められることを確かめた。 (3)水-ニトロベンゼン界面を通過する界面活性分子を実時間でモニタリングできることを実証した。 (4)生理活性物質プロスタグラジンなど、生体の超微量物質をサブ-ngレベルで定量できることを確認した。 今後、有機機能薄膜電極などにこの手法を応用し、測定困難な電気二重層内の物質移動現象の研究に発展させる。
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