研究課題/領域番号 |
06650946
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内藤 静雄 京都大学, 原子エネルギー研究所, 助教授 (70089118)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 金属間化合物 / チタン / アルミニウム / 水素 / 重水素 / 拡散 / フォノン |
研究概要 |
1.金属間化合物Ti_3Al中の水素、重水素の拡散係数を初めて測定した。 交付金により購入した分子ポンプと高純度Ti_3Al試料を用いて、超高真空条件下でガス吸収法により水素、重水素の拡散係数を正確に測定できた。比較のために測定したチタン中での水素、重水素拡散に比べ、Ti_3Al中では活性化エネルギーが大きく、拡散係数も小さくなることがわかった。 2.水素と重水素の拡散係数を比較することによりTi_3Al中での水素の拡散機構を明らかにした。 (1)チタン中での水素、重水素拡散の活性化エネルギーがチタン中におけるよりも大きいことから、チタン中のアルミニウム原子が水素原子の拡散経路を塞いでいることがわかった。これはTi_3Alが金属間化合物でアルミニウム原子が規則的に配列していることとアルミニウム中への水素の溶解熱がチタン中へのそれとは異符号であることから生ずるTi_3Alに特有の拡散機構であることがわかった。 (2)水素と重水素の拡散係数の違いから、Ti_3Al中では水素原子は金属のフォノン(格子振動)に助けられて拡散していくことがわかった。これが本研究の中心的成果である。チタンでは水素と重水素の拡散係数の比は古典的に水素と重水素の質量の比の平方根になったが、Ti_3Alではその値が1に近くなり水素と重水素の質量の違いの影響が小さかったことから導かれた結果である。
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