研究概要 |
1 遷移金属アート錯体の還元能を利用する有機金属試薬の直接生成と反応 銅アート錯体を還元剤として用いる(E)-および(Z)-ビニル銅種の立体選択的な直接生成反応を見つけ,有機合成に有用であることを明らかにした.(Chem.Lett.1994.437;Bull.Chem.Soc,Jpn.1994,67,1495.)さらに官能基置換アリル銅種の直接的生成と反応についても明らかにした.(J.Chem.Soc,Chem.Commun.1994,2687.)またマンガンアート錯体が2電子還元剤として作用することを見つけた.(投稿準備中)遷移金属アート錯体が還元剤として作用し,新たに有機金属試薬を直接生成する手法として一般性があることが明らかとなってきた. 2 有期ケイ素化合物の反応性を利用する有機合成 オキシラニルアリルシラン,アミノシラン,チオメチルシラン,アルコキシヒドロシリカート類の反応性を明らかにし,その利用法を開発した.(J.Organometal.Chem.1994,473,Cl;Chem.Lett.1994,719;Heteroatom Chem.1994,5,229;Tetrahedron Lett.1995,36,571;Bull.Soc.Chim.Fr.1995,132,499.)またアリルシランの一種であるアレニルメチルシランがエン反応を起こすことを明らかにした.(J.Organometal.Chem.1995,499,155.) 3 新規非安定化カルボニルイリドの生成と反応 新規なカルボニルイリドの発生反応を見つけた.(J.Am.Chem.Soc.1996,118,in press; Synlett,1996,in press.)
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