研究課題/領域番号 |
06650987
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高木 謙 広島大学, 工学部, 助教授 (80116615)
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研究分担者 |
谷口 祐樹 広島大学, 工学部, 助手 (50217139)
藤原 祐三 広島大学, 工学部, 教授 (10029481)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 希土類金属 / π-アリル錯体 / サマロセン / 炭素-酸素結合開裂 / ホモアリルアルコール / アリルシラン / 位置選択性 / 立体選択性 |
研究概要 |
1.種々の置換基を持ちアリルベンジルエーテル[R^1R^2C=C(R^3)CH(R^4)OBn]は2当量のサマロセンTHF錯体[Cp^*_2Sm(THF)_2]により選択的にC-OBn結合が切断され、等量のサマリウムπ-アリル錯体とサマリウムベンジルオキシドを非常に高い収率(>80%)で与えることを見いだした。この新規合成法は従来の方法では不可能であった2置換の希土類π-アリル錯体の位置選択的合成を可能にした。 2.発生したCp^*_2Sm[η^3-R^<>R^2C=C(R^3)CHR^4]錯体の構造をNMRで研究した。まずCp^*_2Sm(THF)_2を用いて合成したπ-アリル錯体はfluxional状態で存在し、他方Cp^*_2Smを用いて合成したπ-アリル錯体はstatic状態で存在することが明らかとなった。3置換π-アリル錯体は容易に1置換又は2置換π-アリルへ異性化することが観察された。さらにシクロヘキセニル型と1、1-2置換型アリルにおいてはπ-錯体ではなくσ-錯体で存在することも明らかとなった。 3.この合成法で調製したサマリウムπ-アリル錯体と親電子剤の反応を行ない位置および立体選択性について検討した。シクロヘキサノンとの反応ではπ-アリル基の置換基の多い側からのみ反応がおこり、分枝状のホモアリルアルコールが高収率で得られ、この結果は従来のメタル交換法により発生させたπ-アリルと全く逆の位置選択性であった。他方PhMe_2SiClとの反応ではケトンとは逆に置換基の少ない側から反応し、直鎖状のアリルシランのみが高収率で得られた。さらにプロキラルなケトン、アルデヒドとの反応では高いジアステレオ選択性(100:0〜85:15)が観察された。
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