研究課題/領域番号 |
06651031
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 鋳型重合 / 界面鋳型 / カルボキシル基 / 乳化重合 / 金属イオン / イオン交換樹脂 / 希土類 |
研究概要 |
金属資源の再循環、有効利用、ならびエネルギー・環境問題に関連して、金属イオンに選択性の高いイオン交換樹脂の開発が重要な研究課題となっている。本研究では、高選択的金属捕捉樹脂の開発を目的として、鋳型重合法における全く新しい手法を提案することを目的とした(樹脂表面鋳型形成法)。表面にカルボキシル基を持つ樹脂は、既に確立した手法により合成した。その後、樹脂を膨潤させた状態で表面カルボキシル基を銅などの金属イオンと錯形成させた。この状態で、樹脂を膨潤させるために用いた溶媒(ジビニルベンゼンモノマー)を重合させ、表面官能基の位置を固定化した。この手法により、銅やニッケル、コバルトなどについて、鋳型金属に対する再吸着性の高い樹脂が合成できることが明らかになった。次にウラニルイオンに対する鋳型形成を試みた。しかし、鋳型形成法に基づくと思われる金属捕捉能の向上はわずか10%に止まった。これはカルボキシル基が元々、ウラニルイオンに対し高い結合性を有しており、鋳型処理に基づく差が現れにくかったものと考えられる。一方、希土類金属イオンに対してはイミノ二酢酸型配位子が有効であると考え、これを含むビニルモノマーを合成し、基体となる高分子微粒子の合成技術の確立を試みた。しかるに、樹脂表面に同官能基を多数もつ樹脂の合成には、乳化重合条件の技術的な問題から成功に至らなかった。そこで第3の手段として、ウラニルや希土類イオンに親和性の高いリン酸エステル基をもつ樹脂の合成を試みた。この場合は、上記2種と異なり、官能性ビニルモノマーを用いる手法でなく、リン酸エステル基をもつ界面活性剤を、あらかじめ合成した樹脂表面に固定化する手法によった。この新しい方法により、表面に金属結合性官能基をもつ樹脂が、極めて容易に得られることがわかった。この新手法における鋳型形成法適用の条件設定が今後の課題として残った。
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