研究課題/領域番号 |
06651048
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
嶋田 繁隆 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20024309)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 単分散ポリスチレン / 多孔質シリカ / 吸着 / シリカとの相互作用 / グラフト化 / ポリエチレンオキサイド / 分子運動 / 電子スピン共鳴法 |
研究概要 |
昨年にひきつずき電子スピン共鳴法により多孔質シリカに吸着した分子量3千、9万6千、38万の単分散ポリスチレン(PS)の構造と分子運動を観測した。特にポリエチレンオキサイド(PEO)をシリカにグラフト化させ、PSの吸着にグラフト鎖が与える影響を詳しく調べ次のような事実が明らかとなった。 (1)PSの吸着速度、吸着量はPEOのグラフト率に強く依存し2%程度のグラフト率をもつシリカにおいて準安定的に吸着したポリスチレン鎖が脱着する現象も見いだされた。 (2)吸着PS鎖とシリカとの吸着力、分子運動は分子量に強く依存する。分子量3千の場合、低グラフトのシリカのみにおいて、強い吸着を行う。分子量9万6千、38万のPSを2%程度のグラフト率をもつシリカに吸着させた場合、強い吸着時間依存性がある。最初テ-ル、ループ状に弱く吸着し、時間とともにトレイン状の強い吸着セグメントが増加する。又38万の方が強い吸着低い分子運動性を示した。更にグラフト率にも強く依存したが、運動の転移点が20℃とPSバルクより80℃も低い。 (3)グラフトPEO鎖の末端部位のスピンラベル化によりグラフト率の吸着力、分子運動も観測した結果、PSの分子量が9万6千の場合、吸着PSの方がより速く運動しており、グラフトPEO鎖はシリカに強く吸着している。一方、PSの分子量が38万の場合、PS鎖はグラフトPEO鎖を押し広げてシリカに強く吸着し、PEO鎖はつったった形態に変化し末端部位は非常に速い運動を示した。 以上の様に、シリカ-PEO-PSの複合系においてPEO鎖とPS鎖の運動性を区別して観測することができ、吸着の機構を明らかにすることができた。
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