研究概要 |
平成六年度には直流電源にアーク放電方式の小型ヒュルス型熱風路を製作,接続し,これにアルゴンを流入させアーク放電で高温流を出現させた.また特に放電電圧の高い窒素ガスの場合,まず着火容易なアルゴン流で点火し,その後窒素ガス流に切替える方式で着火させた.次に現有の真空タンクに新たに真空系(真空ポンプ,真空計等)を購入して取付け,タンクに接続した測定室に上記の加熱風路と超音速ノズルを組付けて高温超高速アルゴン流,及び窒素中を実現させた.量電極間を真空ポンプで低圧にすると,直接窒素流を着火させる事も可能となり,高圧ボンベから放電室への流入ガス圧を徐々に増加させつつ実験した結果,ガス圧を上昇させると所要放電電圧が上昇する模様が確かめられた(保原,水谷). 平成七年度は新しく15kWアーク加熱装置を製作し,又流量計等を購入して,アルゴン及び窒素ガスのアーク放電加熱実験を系統的に進めた.即ち各種の一定放電電流値I毎にガス流量mを変化させ,電圧Vを測定する方法で行った. そのデータを処理するに際して単位質量流量m当りの放電電力Wm(Wm=W/m=I^2R/m)がほぼ一定と仮定するとI^2/mはR(≒V/I)に逆比例すると考えて,I^2/mと平均電気抵抗R(=電圧V/電流I)の関係を図にプロットすると各実験データがR^<-1>から少しずれたほぼ一本の曲線に乗る事が判った.これはある種の相似法則性追求へのきっかけで,取りあえず項目11.の研究発表の講座論文中に掲載し,更に追求中である. 一方流量mを増大(高圧化)させた時のマッハ数4の風洞内に,基礎的な鈍頭円筒をさらした時,離脱衝撃波と先頭部での熱集中増加の模様が観測された.
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