研究課題/領域番号 |
06651090
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
資源開発工学
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
中澤 廣 岩手大学, 工学部, 教授 (00113861)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 黄銅鉱 / バクテリアリーチング / 鉄酸化細菌 / 窒素固定菌 / 共生 / 代謝産物 / 活性炭 / T.ferrooxidans |
研究概要 |
鉄酸化細菌(Thiobacillus ferrooxidans)を用いた黄銅鉱のバクテリアリーチングが検討され、初期段階において浸出速度は速いが徐々に低下し、銅が十分溶出しないことが報告されている。この原因として、鉱物の酸化に伴う鉱物表面での硫黄の蓄積やジャロサイトの生成等のほかに、T.ferrooxidansの代謝産物(排出物)の蓄積による増殖阻害が考えられている。自然界においては、他の微生物の代謝産物を栄養源として有効に利用できる微生物が生息し、微生物間に共生関係が成り立っている場合が多い。本研究では、酸性領域で生育する窒素固定菌によT.ferrooxidansの代謝産物の分解・消化させ、黄銅鉱のバクテリアリーチングの促進を試みたものである。また、活性炭は有機イオンを吸着することが知られており、T.ferrooxidansの代謝産物を吸着除去するため、活性炭を添加した場合のバクテリアリーチングについても検討した。 1.バクテリアリーチングは主にpH2付近で行われており、まず窒素固定菌Beijerinckia indica (ATCC9540)の生育におよぼすpHの影響について検討を行った。窒素固定菌はpH3.0で増殖したが、pH3以下では十分増殖しなかった。そのため、初期pHを3.0にして1カ月培養した後、pHを0.1づつ下げた培地にB.indicaを植え継ぐ操作を繰り返すことにより耐酸性を高めることを試みたが、その効果は認められなかった。初期pH3.0で、T.ferrooxidansとB.indicaの混合菌でバクテリアリーチングを行ったが、黄銅鉱の浸出は促進されなかった。 2.活性炭を添加により、Cuの溶出が著しく促進した。たとえば、活性炭を添加しない場合、バクテリアリーチング35日後のCu浸出率は10%で、活性炭を1g添加した場合は55%であった。(黄銅鉱添加量は4g/200ml培地である。)。また、活性炭が微粒のほど、高いCu浸出率が得られた。活性炭を添加して行うバクテリアリーチングの最適pHは1.0であり、Fe^<2+>の酸化が始まると共にCuの溶出が著しく増加した。活性炭がCuの浸出を促進する機構はついて今後検討が必要である。
|