研究概要 |
pelargonium属植物は南アフリカ原産で約250種が知られている.園芸学的には(1)ニオイゼラニウム,(2)ペラルゴニウム,(3)ゼラニウム,(4)アイビ-ゼラニウムに分類されている.基本染色体数は,8,9,10および11が存在している.従来からの研究成果を含めてまとめると以下の通りである. 1.蛍光顕微鏡による花粉菅行動およびアイソザイム分析からペラルゴニウムはニオイゼラニウムとの類縁性が高いことを明らかにした. 2.pelargoniumの選択的受精を行う受精様式の解明を行った. 3.pelargoniumの葯培養による染色体数の半数化とそれに伴う精油成分の変異. 4.ガスクロマトグラフによるpelargonium植物の変異性および類縁性の推定法の確立. 6.胚珠培養によるpelargoniumの種間雑種の作出法の確立および有用雑種の特性調査 6.ペラルゴニウムのアントシアニジン構成と花色との関係を明らかにし,ペラルゴニウムとニオイゼラニウムとの種間雑種作出による花色の改良を行った. 7.ペラルゴニウムとニオイゼラニウムとの種間雑種作出により,ニオイゼラニウムの芳香性の導入をはかった. 8.基本染色体数X=11の種を中心に野生種の蒐集を行った.特に,平成7年10月より現地南アフリカ連邦に出かけ(4ヶ月間),現地での生態調査および野生種蒐集につとめている. 今後,ペラルゴニウムの起源候補種を絞り,精油成分,アイソザイム,花色素,花粉菅行動,交雑親和性等から研究を進めていく予定である.
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