研究課題/領域番号 |
06660045
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
吉川 信幸 岩手大学, 農学部, 助教授 (40191556)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 植物ウイルス / 宿主域 / 移行タンパク質 / ACLSV / ASGV / 細胞間移行タンパク質 / 宿種決定因子 |
研究概要 |
本研究は、植物ウイルスゲノムがコードする細胞間移行タンパク質が、植物ウイルスの宿主域を決定する主要な因子であるかどうかを明らかにする目的で行ったものである。 (1)リンゴクロロティックリーフスポットウイルス(ACLSV、P-205)ゲノムのORF2領域のcDNAを発現ベクター(pKK223-3)に組み込み、移行タンパク質(50kDaタンパク質,MP)を大腸菌で大量に発現させた。 (2)ACLSV-MPに対する抗体(抗50K抗体)を家兎で作製後、ウエスタンブロット分析で感染植物細胞からの検出を行ったところ、移行タンパク質は感染細胞の主に細胞壁画分に存在すること、および感染細胞中でリン酸化され、本来のサイズより大きな52KDaタンパク質として検出されることが明らかになった。 (3)ACLSV(P-205)のMPをイムノゴールド法で検出したところ、ゴールド粒子は感染細胞の細胞壁に特異的に結合して観察され、ACLSVのMPは感染細胞の細胞壁に局在していることが明らかになった。 (4)長距離移行できない変異株であるACLSVミツバ潜在系(MO-5)のMPは460個のアミノ酸からなり、分子量は50.4kDaであった。P-205のMPと比較するアミノ酸数で3個多く、両系統間の相同性は80.8%であった。感染葉の全タンパク質をウエスタンブロット分析したところ、MO-5系統のMPは56-59Kdaのバンドとして検出された。MO-5のMPは接種後4日の試料で既に検出され、接種後6日目の試料まで増加したが、その後、8日目から12日目まで次第に減少した。感染葉(接種後5日)から調製した各細胞分画中のMPを分析したところ、MO-5のMPは主に細胞壁画分と可溶性画分で検出された。 (5)ASGVのニホンナシ分離株(V-3)には2種類のcapillovirus (ASGVとCTLV)が含まれていることが明らかになり、これまで報告されたASGV(リンゴ分離株)とCTLV(ユリ分離株)との間でMPのアミノ酸配列は非常によく保存され、その相同性は94.7〜99.7%の範囲であった。
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