研究課題/領域番号 |
06660048
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柘植 尚志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30192644)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 植物病原糸状菌 / 宿主特異的毒素 / 寄生性分化 / Alternaria alternata |
研究概要 |
Alternaria属糸状菌には、病原製の決定因子として宿主特異的毒素を生産する7種の重要植物病原菌が存在する。本研究では、これら病原菌の病原性(毒素生産性)遺伝子の検索を中心に、以下の研究を行った。 1.遺伝子タギングによる病原性関連遺伝子の単離 Alternaria病原菌のうちナシ黒斑病菌(the Japanese pear pathotype of A.alternata、宿主特異的AK毒素生産菌)を用いて、その毒素生産性(病原性)に関与する遺伝子の単離を試みた。形質転換ベクターDNAの挿入変異によって、AK毒素生産性を欠損した変異株2株を分離した。そのうち1株の染色体DNAを解析し、ベクターDNAの挿入領域を同定するとともに、挿入領域の近傍配列を回収した。回収した配列をプローブとして、野生株の染色体DNAライブラリーからその領域を含むクローンを単離した。さらに、単離した領域のAK毒素生産性における役割を明らかにするために、遺伝子置換ベクターを構築し、野生株を形質転換した。形質転換体の種々の性質を調査したところ、毒素生産性が著しく低下しているだけでなく、菌糸生育、胞子形成、メラニン生産性などの低下も認められた。したがって、単離した遺伝子が直接毒素生産に関与するものではないと考えたが、その変異が種々の形質に影響することからその遺伝子機能の特殊性が示唆された。 2.宿主特異的毒素を生産するAlternaria属病原菌の系統関係 宿主特異的毒素を生産する7種のAlternaria属病原菌の遺伝的類縁関係を、リボソームRNA遺伝子のRFLP分析とその塩基配列の比較に基づき調査した。その結果、すべての病原菌が基準株として用いた非病原性のA.alternataと全く区別できないことが明らかとなり、これら病原菌を同一種A.alternataとして位置づけられることを分子系統学的に示した。
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