研究課題/領域番号 |
06660049
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川北 一人 名古屋大学, 農学部, 助手 (90186065)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 植物感染応答 / 情報伝達系 / ホスホリパーゼA_2 / ホスホリパーゼC / ジャガイモ植物 / ジャガイモ疫病菌 / パタナン / GTP結合蛋白質 |
研究概要 |
ジャガイモとその疫病菌の系において、宿主の誘導抵抗反応発現に至る情報伝達系に関与すると考えられる諸酵素のうちホスホリパーゼA_2とホスホリパーゼCに着目し、防御反応における役割の解析を試みて次の成果を得た。 1.ジャガイモ魂茎の可溶性画分に存在するホスホリパーゼA_2の精製を行い、精製標品の活性について検討した。 (1)ジャガイモ魂茎を磨砕・遠心して得た可溶性画分を硫安分画後、DEAE-Sephadex,Butyl Toyopearl、Econo Pac-Q の各カラムクロマトグラフィーにより精製酵素標本品を得た。本酵素の分子量は 40kDa、pI 値は約4.75と推定され、N末端アミノ酸配列分析の結果と合わせ、本酵素標品はジャガイモの貯蔵タンパク質として知られるパタチンであることが示された。 (2)本酵素標品は、ホスホリパーゼA_1活性に比べはるかに高いホスホリパーゼA_2活性を示した。 (3)4種のホスファチジルコリンを用いホスホリパーゼA_2活性について基質特異性を調べた結果、2位がリノール酸であるものに対する活性が最も高く、細胞膜からのリノール酸の遊離に本酵素が働く可能性が示唆された。 2.ジャガイモ懸濁培養細胞の膜画分に認められるイノシトールリン脂質特異的ホスホリパーゼC活性について検討した。 (1)Ca^<2+>存在下で本酵素活性は認められ、pH6.0とpH8.0において高い活性を示した。 (2)GTP結合蛋白質の調節因子として知られるmastoparanは本酵素活性を増大させ、本活性はGTP結合蛋白質の制御を受けている可能性が示唆された。 (3)疫病菌菌体壁エリシターで処理した培養細胞から膜画分を調製し、ホスホリパーゼ C 活性を経時的に測定した結果、処理後一時的な活性の増大が認められ、誘導抵抗反応の情報伝達系にイノシトールリン脂質特異的ホスホリパーゼCが関与することが示された。
|