研究課題/領域番号 |
06660050
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山末 祐二 京都大学, 農学部, 助教授 (60093332)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 植物の環境適応 / 雑草 / ヒエ属植物 / 種子発芽 / 種分化 / Echinochloa植物 / 冠水冠性 / 嫌気発芽性 |
研究概要 |
本研究はヒエ属雑草を供試して水田、畑雑草の種子休眠性、発芽性における生理、生化学的適応様式とこれら雑草のうち6倍体種の起源変種であるイヌビエ(Echinochloacrus-galli var. crus-galli)の形態、種子休眠、嫌気発芽性、ADHアイソザイムにおける変種内変異とされら生育地の生態的条件との関係を明らかにすることを目的とした。 水田雑草ヒメタイヌビエ(E. c. var. formosensis)と畑雑草ヒメイヌビエ(E. c. var. praticola)の休眠種子を冬期をモデルとした低温の土壌に埋土したとき、ヒメタイヌビエでは湛水された土壌に埋土された種子のみ速やかな休眠覚醒を示し、ヒメイヌビエの種子は、湛水、畑水分条件の埋土に関わらず、変温で発芽試験したとき明確な休眠覚醒が観察さた。また、これらの水田、畑雑草の休眠覚醒種子の発芽初期における生理、生化学的特性を検討したところ、前者の種子は、後者の種子に相反して、発芽に酸素を必要とせず、ADHにおいては小さい、cyt. oxidaseにおいては大きいKm値をもつなど種子休眠性と発芽性において明瞭な適応的生理、生化学的特性をもつことが明らかであった。 また、これらヒエ属雑草の起源種であり、様々な生育地に分布するイヌビエの形態や生理的特性の変異を生育地の集団間、集団内で調べた結果、水田に分布するイヌビエは種子の休眠性が浅く、嫌気発芽性をもつ個体が多かった。また、個体の形態において、イネに擬態性をもち、耐乾燥性の小さい個体が多く存在した。したがって、水田に分布するイヌビエは水田に適応的な形質を示し、生態型分化の可能性が示唆された。しかし、種子の嫌気発芽性とADHザイモグラムとの関係は明確でなかった。
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