研究課題/領域番号 |
06660054
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 陽三 九州大学, 農学部, 教授 (20038178)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | クリタマバチ / 生物的防除 / チュウゴクオナガコバチ / 放飼実験 / 有効性 / 地域差 / 随意的高次寄生者 / 休眠 / 生存率 |
研究概要 |
1982年春に熊本県大津町のクリ園に放飼されたチュウゴクオナガコバチは、放飼後長期間にわたって低密度であったが、1991年以降定着個体群の性比が正常化したため、1992年以降増加傾向が認められるようになった。しかし、1995年現在でも寄生率はまだ約28%に過ぎない。熊本県におけるチュウゴクオナガコバチの増殖遅延の原因を明らかにするため、本種の終齢幼虫期における死亡率と随意的高次寄生者の二次寄生の程度を、茨城県の3箇所のクリ園における結果と比較したところ、両地域間で明瞭な違いが認められた。すなわち茨城県ではチュウゴクオナガコバチの終齢幼虫期の死亡率は低く、随意的高次寄生者の二次寄生率も低いが、熊本県ではいずれも著しく高く、これが増殖遅延の重要な要因になっていることが推察された。チュウゴクオナガコバチの終齢幼虫に二次寄生する随意的高次寄生者として、クリタマオナガコバチ、タマヤドリカタビロコバチ、トゲアシカタビロコバチ、クリタマヒメナガコバチ、トゲクリタマヒメナガコバチの5種が確認され、そのうちのトゲクリタマヒメナガコバチ、トゲアシカタビロコバチ、クリタマヒメナガコバチの3種が熊本県で重要な二次寄生者であることが明らかとなった。 チュウゴクオナガコバチとその近縁の土着種クリマモリオナガコバチは、初夏から秋にかけて終齢幼虫で長期休眠するが、その休眠覚醒の条件を明らかにするための予備的実験を行った。その結果チュウゴクオナガコバチは10℃処理でも15℃処理でも休眠を覚醒し、また覚醒後の発育は10℃でも認められたことから、今後の実験では低温処理区としては5℃、10℃、15℃の各区を設け、処理時間を5、10、15日間とし、無処理区を20℃または25℃に設定すべきであることが明らかとなった。
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