研究概要 |
クワ‘一ノ瀬'の染色体についてC-band法(BSG法),Q-band法,N-band法(Ag-I法)による分染を試み,下記に示す結果をえた. 1.C-band法(BSG法)により‘一ノ瀬'の頂芽を用いた場合,50℃,5%Ba(OH)2の処理時間を20分,2%Giemsa2分染色によりバンドの発生がみられたが,染色体の輪郭が不明瞭となり個々の特定はできなかった. 2.Q-band法の場合,Quinacrine hydrochloride 50μg/ml 10 分処理に加えて,33258Hoechst50μg/mlを10分間処理することによりバンドの発生が認められた.しかし,個々の染色体の特定はできなかった. 3.N-band法(Ag-I法)はM染色体の分染が可能であった.大型のNo.1,2染色体に明瞭なバンドが観察され,クワ染色体分類・同定の指標となりうるものと考えられる. 4.‘一ノ瀬'生長点組織の核板について核型を求めた結果2n=28=5A+23Bとなり,Aの範囲は4.6-2.4μmで,Bは2.1-1.0μmであった.
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