研究課題/領域番号 |
06660115
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
緒方 靖哉 九州大学, 農学部, 教授 (20038277)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 放線菌 / 形態分化 / 二次代謝産物 / 多面遺伝子発現 / 遺伝子解析 / 遺伝子構造 / 制御遺伝子 / 抗菌物質 |
研究概要 |
チオストレプトン(TSP)生産菌S. azureus PK100C株の染色体ライブラリーよりの2.5kb挿入断片を保持した組換えプラスミドpSAB931を分解した。本pSAB931を保持した形質転換株BalA1は以下に示す特異的性質を有していた。本研究ではBalA1株の特性を詳細に検し、さらに2.5kb DNAの構造と機能を解析した。 BalA1株は気菌糸形成能を欠失していたが、TSP感受性の枯草菌に対しPK100C株の3倍以上の抗菌力を示し、TSP耐性である親株PK100C、野生型株PK0やTSP生産性でかつ耐性のS. laurentiiの生育を阻害した。また、S. coelicolorの赤色抗生物質の生産を早期誘導する物質を産生した。一方、BalA1株はPK0株、PK100C株、S. laurentii等の菌株とのcrossfeedingによって気菌糸着生能が回復した。 次に、pSAB931中の2.5kbの挿入断片をプローブとして、多数の細菌類の全DNAに対して相同配列の存在を検討した。PK0株、PK100C株をはじめ、S. laurentii、S. lividans等の検した20種の全てのStreptomyces属放線菌で本断片と相同遺伝子の存在を確認したが、その他の属の菌種には存在しなかった。この結果は、本遺伝子がStreptomyces属放線菌で広く存在し、分化に機能する重要遺伝子であること示唆するものである。 さらに、2.5bp DNA断片の塩基配列と構造を解析した。本断片は2498bpの塩基配列を有し、843bpのORFと489bpのORFの存在が確認された。前者は癩菌のPhosphoserine phosphatase遺伝子(psp)と後者は枯草菌のセプタ位置決定遺伝子(minD)とアミノ酸レベルで相同性が認められた。 最後に、BalA1株が示す特性とこれら2遺伝子の機能との関連性、また形態分化と代謝分化に及ぼす機能を考察した。
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