研究概要 |
植物は,進化の過程で病原菌に対する様々な物理的あるいは化学的防御システムを構築して生存してきている。この抵抗反応に関与する物質群の解明より,その機能を最大限に誘因させ,かつ新しい防御機構を備えた植物を創製することが可能となる。また病原抵抗性発現の新しい引き金物質(エリシター)の開発は,二次代謝活性因子として培養細胞などを用いた有用物質生産の面からも注目されている。上記事情に艦み,生体高分子を素材としてそれらの潜在的植物活性化能を精査し植物の防御システムの分子制御機構を解明するために本研究を行った。以下に本研究の内容をまとめた。 1.部分的に脱アセチル化したオリゴキチンを精製しマメ科植物に対するエリシター活性を見いだした。 2.リゾチームを利用した酵素化学的合成による部分的脱アセチル化キチンの簡便合成法ほ開発した。 3.海藻由来多糖であるラミナランの酵素加水分解物よりエリシター活性を有するオリゴ糖を単離精製しその構造を明らかにした。 4.上記エリシター活性オリゴ糖の活性発現最小単位を明らかにした。
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