研究概要 |
本研究で明らかにされた点は以下の通りである。魚油を与えたマウスは,通常の油脂例えば大豆油を与えたマウスに比較して,体重増加量に差はないが,赤血球の過酸化脂質量の著しい増加が確認された。すなわち魚油食マウスではホスファチジルコリンハイドロパーオキサイドが約2倍に,ホスファチジルエタノールアミンハイドロバ-オキサイドが約4倍に増加した。この時,魚油食マウスでは脾臓重量の有意な増加と肥大が観察され,脾細胞数は大豆油食マスウの2倍を示した。そして,この魚油食マウスの脾細胞のマイトジェン応答能は著しい減少を示し,大豆油マウスに比べその能力は半減していた。本研究により生体膜の脂質過酸化の亢進が免疫細胞機能を修飾することがはじめて証明された。
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