研究課題/領域番号 |
06660187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嵜元 道徳 京都大学, 農学部, 助手 (50225835)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 森林下層 / 光環境 / 林冠木種 / 樹冠形態 / モジュール / 構造と形態 / 可塑性 / 更新維持 / 構造と動態 / 動態と維持 / 更新機構 / 樹冠 / 時・空間的可塑性 / 維持機構 / 更新動態 |
研究概要 |
林冠ギャップの存在や林冠層の樹種構成の違いによって光環境が水平空間的に不均一となっていると考えられる森林下層における林冠木種の若木の更新維持機構を明らかにすることを目的に、若木の樹冠の構造と動態を解析した。 森林下層の光環境は、林冠ギャップの存在によって大きく変化していることを北方落葉広葉樹林の研究から、また林冠層の樹種構成の違いによって比較的穏やかな変化が引き起こされていることを北方針広混交林、アカマツ・ヒノキ林、そしてアカエゾマツ林の研究から明らかにした。個体レベルで見た場合、若木が着けうる葉量には最大値が存在し、それは生育地の光環境に応じて自在に変わった。これは、下層の不均一な光環境に対して、林冠木種の若木が葉の量と配置を変えるという巧みな可塑性を発達させているためであった。こうした可塑性の発達は成長速度の変化をもたらし、強度に被陰された生育地での長期間に渡る耐忍を可能とする。この耐忍は、林冠ギャップなどへの遭遇確率を高めることから、更新維持の上で大きな役割を果たしていることが明らかになった。しかし、被陰が持続した場合には、光環境に応じて変わる特定樹高で枯死することも明らかとなった。一方、若木の樹冠を構成する芽、葉、シュートのモジュールレベルで見た場合、被陰に対して、非同化器官の増加抑制につながるシュートの小型化が対象とした全樹種に共通して認められた。しかし、被陰に対する芽の動態や葉の形態反応には共通点が見られ難くなり、特に、広葉樹においてこの傾向が強かった。広葉樹において顕著であったモジュールレベルにおける多様な挙動や形態の発達は、今後、更新維持機構を解明していく上での課題として残された。
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