研究課題/領域番号 |
06660228
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 和夫 東京大学, 農学部, 助教授 (20092174)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 寄生虫 / 微胞子虫 / Glugea plecoglossi / Plecoglossus altivelis / 治療 / グルゲア症 / ELISA / 免疫 / Glugea Plecoglossi / Placoglossus altivelis |
研究概要 |
微胞子虫Glugea plecoglossi(以下、グルゲア)の胞子をアユに経口投与して作出した感染魚に高温処理を施してグルゲア症の治療法を確立した。すなわち投与して11日〜26日後に1回目、元の飼育水温に戻してから1週間後に2回目のそれぞれ水温29℃5日間の高温処理を行ったところ、発症を完全に抑制することができた。第1回目の高温処理の開始時期は、グルゲア感染成立直後で、まだ定着していない時期に相当する。また、既に感染のしている養殖魚に対しても高温処理の有効性が実証された。 アユの血清を塩析、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィーにかけて免疫グロブリンを精製し、これをウサギに注射して得た抗アユIgMウサギIgGを1次抗体、HRP標識抗ウサギIgGヤギIgGを2次抗体として用いた。そしてウエルに吸着した胞子を抗原とし、TMBを基質とするELISA法を確立した。人工感染魚では胞子を経口投与して10日後には抗体が検出された。蛍光色素Uvitex 2Bによって、アユ腸管内腔からの胞子の取り込みが確認されたが、検出された抗体はこの取り込まれた胞子に対して産生されたものと考えられた。 感染率30%を示した自然感染魚群を用いて高温処理後、胞子の経口投与による攻撃試験を行った。その結果、抗体価の上昇はみられたが、高温処理によって免疫を獲得したという証拠は得られなかった。したがって、高水温処理はグルゲア症の治療に有効であったが、処理によって免疫は獲得されないものと思われる。
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