研究課題/領域番号 |
06660280
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大原 興太郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024586)
|
研究分担者 |
秋津 元輝 京都大学, 農学部, 講師 (00202531)
乗本 秀樹 三重大学, 教育学部, 助教授 (20144222)
内田 達夫 三重大学, 生物資源学部, 助手 (80252344)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
|
キーワード | 生物資源 / 多面的機能 / 持続性 / 共同的管理 / 飼・肥料資源 / 生活行為 / 循環 / 有効利用 / 地域資源 / 持続可能性 / 飼料資源 / 肥料資源 / 副産物利用 / 地域環境 / 共同管理 |
研究概要 |
1 三重県地方農業史にかかわる歴史資料をもとに、近代から現代までの生物資源の利用・管理の実態とその変遷をみると、とくに経済の高度成長期までは、農林水産資源の有機的な相互関連性、地域的な資源の循環、リサイクル性あるいはカスケード利用や不要遊休資源の資源化、資源管理に関する農民の工夫、日常生活と地域資源の利用の密接性、学校教育と農林水産資源の関連性の濃さ等が明瞭に読み取れる。 2 現代における生物資源利用の一つの重要な観点は産業廃棄物化している生物系廃棄物を循環利用して再資源化を試みることである。産業廃棄物の約20%(8,000万トン)はほとんどが家畜の排泄物である農業廃棄物である。これには野積みや未処理のものも50〜60%あり、農業公害の原因にもなっている。これの有効利用のためには堆肥化技術の確立、広域流通、堆肥施用効果の解明、組織化による需給の調整・均衡、静脈産業の確立などが課題である。 3.生物由来の副産物とくに大規模化した食品加工業から出る副産物はそれを利用する規模と技術をもつ農業経営体があれば有効に利用し得る。放っておけば「廃棄物」となってしまう副産物を現代でもうまく飼料化して有効利用しているY農事組合法人の事例研究によれば、需要者と供給者の規模や地理的距離、日産10〜50トンにわたる副産物の加工管理技術や利用技術・利用システムなどの存在が重要であることが明らかになった。 4 現代では生物資源の利用管理上由々しき問題のある地域は耕作放棄地の増大が問題となっている中山間地である。ここではとくに利用される資源と利用する主体を共に含めた資源利用の社会システム全体が視野に入れられねばならない。島根県石見町では、高齢者の農業共同経営によって高齢労働力を地域資源維持の手段に利用すると共に、高齢者を尊厳ある生活者として捉え、自発的な地域福祉グループの形成にも役立った事例が生まれているが、これは現代的意味における生物資源の多面的機能の効果を表している 5 単なる生産的側面のみでなく、生物資源の多面的機能への注目は資源に対峙する人間サイドの問題の重要性を意味する。農村生活や消費生活の研究において、活動的な生活行為をトータルにみていくための分析概念を検討し、「外部システムに包摂された行為」「週間・慣習に規定された行為」「演技的な行為」「農的な行為」などの生活行為の特質(タイプ)を直感をも援用しながら解釈的に把握していく必要があることを明らかにした。
|