研究概要 |
本研究の目的は,農用フロントローダの機構を多自由度化し,かつロボット技術の応用からコンピュータ制御することを試みることによって,ロボットハンドに近い多様な機能を持ち,かつ操作が容易なロボティクフロントローダを開発することにある。 主な研究成果は以下の通りである。 1.フロントローダの多自由化に伴う動作のシミュレーションのために,フロントローダの幾何学的な関係をもとに運動解析ソフトウェアの開発を行い,ロ-ダの可動範囲などの設計要素と設計諸元との関係を検討した。その結果,動作速度は流量制御弁の性質上,10倍程度の範囲でし可変できないことが明らかとなった。 2.油圧シリンダと比例制御弁により構成されるフロントローダの小型モデル機を試作して,その運動を確認した。さらに,パーソナルコンピュータを利用して,このモデルの操作制御を行うコンピュータシステムを構成し,作動を確認した。しかし,始動時のスティック抵抗が問題となったが,短時間に大きな入力を加えることでこの問題に対応できた。また,低速度での制御法,移動精度の検討,特に油温の上昇による作業遅れが問題となり,制御プログラムの変数として重要な問題であることがわかった。 3.システム制御用の基本的なハンドリング機能を実現するソフトウェアの作成を行い,2本のアームを連携させて協調動作を実現する可能性を示した。 4.ジョイスティックによる操作入力装置を作成し,フロントローダの動作精度を確認した。
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