研究概要 |
複合耕うん機構による畝成形と同時に畝の表面を打圧硬化する新しい畝成形システムと、慣用の畝成形法の二つの畝成形法を試供して、両者の畝成形時における作業性能、所要動力及び肥料溶脱に伴う硝酸態窒素の残留量を計測して,それぞれの省エネルギ効果、肥料溶脱抑制効果並びに複合耕うん機構の様態について考察した。その結果、次の事が明らかになった。 畝表面を打圧しながら畝を成形する新しい畝成形システムは、動力消費が慣用の畝成形法のそれのほヾ60〜70%と少なく、また比仕事(単位成形畝体積当り仕事)の面からも有利な畝成形法である事が認められた。 さらに、畝の表面を打圧することによって成形された畝は、慣用の成形畝よりも畝の土壌表面硬度は明らかに大きく、甘藷栽培時特に雨季において、畝に染み込む雨水の量を抑制する効果がはっきりと認められた。このことから、慣用の成形畝の耕盤における硝酸態窒素の量は畝の表面を打圧成形した畝のそれよりも明らかに多く、このことは、畝表面打圧成形畝は、畝自身が硝酸態窒素を長く保持しており、硝酸態窒素の溶脱抑制効果があることが明らかになった。 以上のように、新しい畝成形システムは慣用の畝成形法よりも全体的に優れていることが認められた。しかし、複合耕うん機構の有効活用という点においては、慣用の畝成形法の方が新しい畝成形システムより勝っていることが明らかになった。
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