研究課題/領域番号 |
06660360
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
芦沢 幸二 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60128353)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 精子 / 運動性 / カルシウム / リン酸化 / カルモデュリン |
研究概要 |
本研究は、鶏精子の運動運動調節機構を明らかにする目的のため、特にカルシウムとその関連物質並びにタンパク質のリン酸化-脱リン酸化に着目して実験を行ったものである。 まず、精子の運動性に及ぼす細胞内Ca^<2+>の影響を検討した。40℃で不動化を起こしている正常精子にCa^<2+>を添加すると、運動は再開した。BAPTA-AMで細胞内のCA^<2+>をキレートすると、精子の運動は停止し、過剰のCa^<2+>を加えることによって回復した。一方、カルモデュリン阻害剤であるW-7やトリフルオペラジンを添加すると、Ca^<2+>が存在するにもかかわらず、運動は完全に抑制された。 次に、精子の運動性に及ぼすプロテインホスファターゼ阻害剤の影響を検討した。プロテインホスファターゼのうちタイプ(PP1)とタイプ2Aを特異的に阻害するオカダ酸とカリクリンAを除膜モデル精子に添加すると、40℃でも運動停止は起こらず、活発に運動するのが認められた。PP1のみを阻害できるインヒビター1及びインヒビター2を加えても同様の結果が得られた。イムノブロッティングによりPP1抗体を反応させると、36〜37kDaに特異的なバンドが検出され、これはPP1の分子量と一致した。 以上の結果から、鶏精子の運動調節系にはcAMPよりも、むしろCa^<2+>/カルモデュリンが重要な役割を果たしていること、さらに精子内にはセリン/スレオニンホスファターゼの一種であるPP1が存在しており、この酵素活性が高まると不動化を引き起こすと考えられた。
|