研究課題/領域番号 |
06660420
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
木場 洋次郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (10108673)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | パーム油産業廃棄物 / パームファイバー / セルロース資源 / キシロース / 脱リグニン / セルラーゼ剤 / 微生物培地 / SCP / キシラン / キシロオリゴ糖 |
研究概要 |
パームオイル産業廃棄物の一種であるパームファイバーのセルロース資源としての実用化を目途に、酸あるいは酵素による加水分解において最大の糖化率が得られるような前処理(脱リグニン)条件および糖化条件を設定し、次いで、この糖化液の有効利用法として、キシロース生産原料および微生物培養基(培地)としての利用の可能性について検討した。その結果は次のように要約される。 1.酸あるいは酵素によるファイバーの加水分解に先立つ前処理として、1%水酸化ナトリウム水溶液中で120°C、60分のオートクレーブ処理が最適であることを明らかにした。 2.前処理ファイバーを10%硫酸水溶液中で、100°C、60分間加水分解すると、ファイバーに含まれるキシランが特異的に分解され、ほぼ完全にキシロースとして遊離されることがわかった。このことより、本ファイバーは新しいキシロース生産原料として注目される。 3.ファイバーの酵素糖化剤として、市販のセルラーゼ“オノズカ"R-10(ヤクルト本社)を選定し、これによる糖化の最適条件(酵素濃度:0.5%、糖化条件:pH5.0、37°C、3日間)を設定した。この条件では、最大糖化率は92%、生成糖はグルコースとキシロースが主で、その比は約7対3であり、糖化液の糖濃度は約0.4%であった。 4.糖化液の培地としての使用では、Candida utilisやPichia membranaefacienceの両酵母で対照培地よりも約1.3倍多い菌体量が得られた。また、細菌のBacillus subtilisでは約5.0倍、糸状菌のAspergillus nigerでは約1.2倍多い菌体量が得られた。この顕著な増殖促進効果については、これらの微生物による有用物質生産への適用が期待される。 以上のように、産業廃棄物であるパームファイバーがセルロース系資源として有望であることが示唆されたので、今後、特に微生物培地としての利用に関する研究のさらなる展開を押し進める予定である。
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