研究課題/領域番号 |
06670029
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松野 健二郎 熊本大学, 医学部, 講師 (20094047)
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研究分担者 |
江崎 太一 熊本大学, 医学部, 助手 (10128259)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ラット / 肝臓 / リンパ / 樹状細胞 / 貪食能 / 免疫組織学 / 形態・動態・機能 / 移植免疫 |
研究概要 |
(1)ラットの肝リンパ節を切除すると、リンパ管再生の後、胸管リンパ中に、リンパ節で本来引っかかっていた、肝臓由来の樹状細胞が、採取可能になった。肝由来の樹状細胞は、中下部消化管由来の樹状細胞に匹敵する流出量をしめした(第24回免疫学会発表:H6年11月、投稿中)。 (2)ドレナージ直前に、磁性ラテックスを静注し、肝リンパ中のラテックス貪食細胞を磁石により精製した。この細胞は単球様の形態で、最終分裂から数日以内の出来たての細胞であったが、ラット樹状細胞のフェノタイプと、強い移植抗原呈示能を持っており、未熟な樹状細胞であることがわかった(第99回解剖学会発表、および第24回免疫学会発表、投稿準備中)。これにより、一部のラット樹状細胞が、成熟の早期ステージにIn Vivoで食作用を持つことを、初めて証明した。 (3)二重免疫染色により、樹状細胞はIn Situ肝臓内で、門脈域、および中心静脈域に、おもに認められた。さらに、In Vivoで血管内異物を摂取できる樹状細胞は、肝リンパのみに出現することがわかり、血行性抗原に対する免疫応答への関与が示唆された。(第100回解剖学会発表予定、投稿準備中)。 (4)ラット肝移植の系で、寛容誘導のために移入するドナー細胞の、宿主内での動態をあきらかにした(雑誌論文1)。また、ラット肝移植の系で、浸潤細胞の解析をおこない、寛容群では拒絶群に比し、Helper T細胞の浸潤パターンが異なることを示した(雑誌論文2)。 (5)以上のように、本課題の当初目的に沿った研究成果が得られ、平成7年度中には、残りの論文発表ができる予定である。この樹状細胞がどこで食作用をおこすのか、また、移植抗原呈示能はIn Vivoレベルではどのように起こるのか、さらに、細菌のような顆粒状抗原を貪食させた場合、抗原提示をIn Vivoレベルでどのようになしうるのかを今後、検索していきたい。
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