研究課題/領域番号 |
06670038
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
坂井 建雄 順天堂大学, 医学部, 教授 (90114488)
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研究分担者 |
小泉 憲司 順天堂大学, 医学部, 助手 (40053342)
小林 直人 順天堂大学, 医学部, 講師 (50234836)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 内皮細胞 / アクチンフィラメント / 肺動脈 / 微細構造 / 腎臓内の動脈 / 重鎖イソフォーム / 足細胞 / 糸球体 / 単離利潅流腎 / 馬杉腎炎 / 毛細血管 / outpokets構造 / 糸球体基底膜 / 弾性動脈 / 筋性動脈 / 細胞骨格 / 細胞外基質 / 肺動脈系 / 腎内動脈系 |
研究概要 |
弾性動脈である大動脈の内皮細胞について、アクチンフィラメントの配列を調べたところ、筋性動脈である腎臓内動脈の内皮細胞と基本的な差はなく、むしろ筋性動脈領域内での部域差の方が顕著であることがわかった。それに対し、大動脈において、内皮細胞のアクチンフィラメントが、生後発達期にstress fiberパターンからperipheral bandパターンへと、配列を変えることが明らかになった。また腎臓内動脈について、内皮下の基底膜の構造を調べたところ、直径に対応して、微細構造上の変化があることが見つかった。 弾性動脈と筋性動脈の中膜については、一つの臓器内で両者の移行部の観察できる肺動脈を対象に、微細構造を観察した。その結果、肺動脈に関しては、弾性動脈から筋性動脈への移行が、急激に起こり、基本的に両者の間に移行形が存在しないことが明らかになった。また腎臓内の動脈について、中膜平滑筋の重鎖インフォームを調べたところ、輸入細動脈と輸出細動脈で、異なる型を示すことが明らかになった。すなわち、輸入細動脈は、成体型の大きな収縮力をもつと考えられるSM2を発現し、これに対し輸入細動脈は、胎児型で小さな収縮力を持つと考えられるSMembを発現していた。 糸球体については、特に足細胞の細胞骨格を、実験的なモデルを使って解析した。単離潅流腎のモデルで、糸球体濾過障壁が伸展性を有することが明らかになったが、足細胞の細胞骨格には、その伸展性を調節する役割があると考えられる。また馬杉腎炎のモデルで、足細胞の足突起の消失に伴って、アクチンフィラメントが再配分され、細胞が基底膜から剥がれるのに抵抗する力を発生する役割を持つことが明らかになった。 糸球体の成長に伴い、おもに毛細血管の総延長が延びることにより糸球体の体積が増大すること、またその際、糸球体基底膜の表面積の拡大が並行して起こることがわかった。そして基底膜の拡大装置と考えられるoutpockets構造が、糸球体の辺縁部にのみ分布するという所見を得たが、これは糸球体基底膜が糸球体の内部で再配分されることを示唆している。
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