研究課題/領域番号 |
06670053
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中山 晋介 名古屋大学, 医学部, 講師 (30192230)
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研究分担者 |
富田 忠雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (50078763)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 平滑筋 / 内向き電流 / Ca電流 / キネティクス / 電気生理学 / パッチクランプ / カルシウムチャネル / イオン電流 |
研究概要 |
1)平滑筋における内向きイオン電流が、どのように細胞膜の自動興奮を引き起こすのかということは、生理学において重要な問題であるが、これまで明らかにされていない。そこで、単離平滑筋細胞を用いて、内向きCa電流の諸性質を調べた。 2)モルモット膀胱平滑筋において、ピペットにCsとTEAを入れてK電流をブロックし、ホールセルの状態で、内向きCa電流の性質を調べた。外液に2.5mMのCaが存在すると、0mVのステップ脱分極を与えると、約数百pAの内向きCa電流が記録された。(これは、キネティクスを解析するには有利であった。)通常の細胞では、このステップ脱分極の前に、条件づけ高脱分極パルス(+80mV,5sec)を与えると、全てのCa電流は不活性化されてしまう。しかしながら、膀胱平滑筋細胞ではほとんど不活性化が起こらず、ステップ脱分極後の再分極時(-60mV)に、ゆっくりと脱活性化される(時定数が約10msec)大きな尾電流(Tail current)が観察された。 3)この現象は、膀胱平滑筋のCaチャネルが、高脱分極時に第二の開口状態に遷移すると考えると説明がつく。この第二の開口状態は、通常の開口状態と異なり、脱分極中で不活性化せず、再分極時の脱活性化が遅いと考えられる。 4)Baを電極につめたシングルチャネル記録でも、この第二の開口状態に相当する電流が観察された。この長期の開口を利用して、シングルチャネルのコンダクアンスを測定したところ22-30pSであった。 5)同様な結果が、モルモット胃と盲腸紐平滑筋においても得られた。このことは、第二の開口状態が、平滑筋に特異的な持続的Ca流入や、それに引き続く細胞興奮収縮に重要な働きをする可能性があることを示唆した。
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