研究課題/領域番号 |
06670056
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
森田 啓之 香川医科大学, 医学部, 助教授 (80145044)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 肝臓神経 / 高食塩水 / Naバランス / 肝硬変 / 高食塩食 / liver cirrhosis |
研究概要 |
門脈肝臓領域にNaCl受容機構が存在し、この領域にNaCl濃度が増加すると、肝臓神経および腎交感神経を介し、腎臓からのNaCl排泄が増加することを報告した。さらに、この調節機構は、高食塩食摂取直後のNa利尿に重要な役割を果たすことを報告した。しかし、より長期のNaバランス維持に果たす役割は不明である。今回の研究では、長期のNaバランス維持における門脈肝臓領域NaCl受容機構の役割を正常ラットおよび肝硬変ラットにおいて調べた。 0.4%NaCl食で飼育すると正常ラットと肝臓除神経ラットの間でNaバランスに有意の差がみられなかったが、3あるいは8%の高食塩食で飼育すると、肝臓除神経ラットにおいて、有意に大きなNaの蓄積を認めた。4塩化炭素を週2回12週間にわたり皮下注射したラットでは偽小葉の形成がみられ、肝硬変を起こしていたが、腹水は認められなかった。肝硬変ラットの肝臓内ノルアドレナリン含有量は正常ラットの56%に減少し、肝臓神経支配が減少していることが推測される。肝門脈内高張NaCl溶液投与に対する肝臓求心神経活動の増加は、肝硬変ラットにおいて有意に抑制されていた。肝硬変ラットも肝臓除神経ラットと同様高食塩食摂取時にのみ有意に大きなNaの蓄積を認めた。 以上の結果から、次のことが分かった。(1)正常食塩食摂取時には、長期のNaバランス維持において肝臓神経は重要な役割を果たさない。しかし、高食塩食摂取時には長期のNaバランス維持において肝臓神経は重要な役割を果たしている。(2)肝硬変ラットでは、肝臓神経支配が減少し、門脈肝臓領域NaCl受容機構の感度が低下しており、このことが高食塩食摂取時のNa蓄積の一因と考えられる。
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